Multi-Crossing-View 世界の見方を変える6つのステップ

マルチクロッシングビュー 生き方が変わる時間の見方

補講 レッテルを貼らないこと

誰も彼もが人にレッテルを貼ることに夢中です

「この人は理想主義者だ」
「この人は皮肉屋だ」
「権利論者」「嫉み屋」「嘘つき」「悪党」
レッテルを貼ればその人のすべてが明白になります
その人がこれから何を言うかもすべて予想できます

貼るレッテルの種類が極端に少ない人がいます
「自分に役に立つ人間」「役に立たない人間」たったこの2種類だったり
すべての異性を「美形」「美形以外」だけで分ける人もいます

そんな極端な分類をしていると他人からバレバレですので
馬鹿にされたり軽蔑されることになります

しかし何千何万何百万という種類のレッテルを常備していて
初対面の相手にも適切なレッテルをスパスパ貼っていく
そんなことができる人間は賞賛を集め尊敬されます

レッテルは人間だけではなくあらゆる物に貼られます
時間にもたくさんのレッテルがペタペタ貼られます
「今日の運勢」とか
「今日は○○の記念日です」とか
今日は今日でしかなく
今は今でしかないのに

子供は学校に通い
レッテルの種類をたくさん勉強し
レッテルの上手な貼り方を習います

いつでも迷わず適切な診断をくだせる医師
どんな相談者の悩みも解決する弁護士、カウンセラー、宗教家
今この国に一番必要な事を次々指摘できる政治家、評論家
誰もがその人たちに頼ろうとします
「あの人こそ私たちのリーダーだ」
「あの人に任せておけば間違いない」
でもそのリーダーがしている事はただのレッテル貼りです
レッテル貼りがとても上手なだけです
それ以上でもそれ以下でもありません

「私は困ってる人を助けたい」
「私の知識をみんなに教えたい」
そんな事を言う人間はすべてレッテル教の信者です
レッテル教の信者は自分がレッテルを貼ることで
問題が解決すると
不幸な人を助けることができると
この世界がより良いものになると
本気で信じています

中には少しだけましなレッテル貼りもあります
生徒一人一人と向き合おうとする先生がいます
ありのままを伝えようとするジャーナリストがいます
問題提起だけで安易に結論を出さない専門家がいます
でも彼らだって最後にはレッテルを貼ります
レッテルを貼ることが彼らの仕事です

レッテルは毒でも薬でもありません
あなたを幸福にはしませんが不幸にもしません
レッテルはあなたを傷つけません苦しみも与えません
レッテルを貼りまくる人もあなたの敵ではありません
ことによると「レッテルには何の意味も無い」
そのことを逆説的に
あなたに教えようとしているのかもしれません

だからレッテルを恐れる必要はありません
レッテルを憎む必要もありません

あなたの視界をふさごうとする大量のレッテルは
ただあなたが「じゃまだな」と思うだけで
もう消えてしまいます

過去から現在まで多くの人間たちが
どこにでもめちゃくちゃに貼りまくったレッテル
そしてあなたが自分自身で貼った大量のレッテル
すべてのレッテルがきれいに無くなれば
そこにまったく新しい世界が見えます